オタク系の話しが続いて申し訳ない。ついでに色々と思い出したので書き留めておく。
アニメのキャラクターなどを指して「萌える」という言葉が使われるのを見かけることがある。キャラクターへの愛情をあらわす表現の一つだ、と言うことはなんとなく分かると思うが、語義から言えばさっぱり意味不明だ。
#元来は「木が芽ぐむ」といったことを「萌える」と言う。「草木萌えるこの季節、いかがお過ごしでしょうか」なんて時候の挨拶を使ったことがある。確か、中学校の学級新聞のコラム欄の出だしだ(笑)
語源は、こういうことらしい。
NHK教育で放映された天才テレビくん内の「恐竜惑星」(1993年)の主人公萌ちゃんに熱烈なファンがついた。当時はパソコン通信だったが、BBSなどで「萌ちゃん萌え~」(「燃える」を「萌える」と洒落た。一般人には「燃える」も解説が必要だと思うが、雰囲気で読み取ってくれ。)と書く人間が増え、次第に萌ちゃんに限らず、ぷにぷにした少女にたまらなく愛情を感じてしまうときに「○○萌え~」と表現するようになったようだ。また、「萌~」と言う名前の呼びかけが「萌え~」と誤変換されたとの説もあるが、真偽のほどは定かでない。
自分でその言葉の発生現場を目撃したわけではないが、当時、それを目撃したらしい人間が私の運営していたBBSにいて、オフ会でその話を聞いたように思う。#ちと記憶があやふやだ
Web上でなされている解説も概ね以上のようなもので、私の記憶と一致しているようだ。
ちなみに、土萌蛍(セーラーサターン)発祥説もあるが、蛍登場前にすでに「萌え~」の表現を見かけた記憶があるので、違うと思う。#ってか、「蛍ちゃんも萌え~ですね」とか誰か(自分かも)がおちょくってた記憶がある
「メイプルタウンネットワーク」とか「せんとまりあんぬ」とかのBBS辺りが発祥の地としてありえそうな気がするのだが、何とも言えない。これらのBBSは色んなパソコン通信ローカル語の発祥地だったように記憶している。現在は2chが我が物顔で色んな言葉を生み出しているが、あれに近いノリだ。
そう言えば「パソコン通信用語の基礎知識」とかいうテキストファイルが流通していた。これを読めば分かるんじゃないかと思う。多分、倉庫で眠っているX68000のHDDに残っているはず。その他にも当時のパソコン通信のログを漁ればもっと色んなことが分かるだろう。わずか10年前のことなのに古文書を発掘するかのような作業が必要になろうとは(笑)
#誰か、当時のメイプルタウンのログって保存してませんかねぇ?
ところで、私はこの「萌え~」という語法はほとんど使ったことが無い。理解は出来るが共感しないので使う場面が無いのだ。亜美ちゃんが好きだの、ナージャは良い!だの書いていると、その手の趣味があるように思われそうだが、私は彼女らのような考え方や行動をする人間が好きなのであって、子供が良いわけではない。冴羽遼(シティハンター)ではないが、10年後を楽しみにしているよ、って感じだ。実際、あんな子供はいない(笑)
大学生の頃、真正のロリータ・コンプレックスの人とも付き合いがあったが、彼らは明らかに違う。本気で子供に愛情を持っている。危ない妄想を抱いているんじゃなくって、本当に愛していると言って良い。この点はよく誤解されているようだが、危害を加えてしまう奴、あれは偽者だ。成人女性に対するような愛情を少女に対して抱いてしまうだけなのだ。性的なものは飽くまで付随物で、愛情が先にある。結果的に怪しい行動になってしまうことが間々あるが、成人女性に対してだったらそれほど問題ない行動も多い。#街でナンパするじゃん。って、ありゃ目的が違うか。
もちろん、少女の側に色んな意味で受け入れ態勢が整っていない以上、一線を越えるのは問題だと思うが、世間一般が抱いているような危ない精神異常のようなイメージまで行ってしまうと、それはおかしいのではないかと思う。
語源となった小説「ロリータ」(ウラジミール・ナボコフ著)を読めば、この話はより分かってもらえると思う。一つの物語としても秀逸でお薦めだ。
確か私は中学生の頃に読んだ(小学生だったか?)。当時、ロリコン写真集(諏訪野しおりとか。ほぼ同い年。)が流行っているのを不思議に思って、原典とも言えるこの小説を探し出して読んだはずだ。そこには確かに少女への愛情が描かれており、世間一般の認識のズレを憂えたものだ。
#ウラジミール・ナボコフはドストエフスキーを馬鹿にしていて、それで「罪と罰」を読んだんだ、そう言えば。指摘は概ね正しいが、あまりにも批判的すぎねぇかって感じた。今なら時代背景にまで思いが至るが、当時は若かったんだろう。
他に例を挙げるとすれば、光源氏(源氏物語)だ。彼も明らかに少女に対して成人女性に対するような愛情を抱いていたように見受けられる。世界最古のロリコン小説だろう(笑) さすがにあの長編を原典で読むのはつらいと思うので、「あさきゆめみし」なんかを読むのがお手軽だと思う。瀬戸内寂聴の現代語訳も悪くない。当然、どちらもフィルターがかかっているが、本質を変えるようなことはしていないと思う。
正直なところ、光源氏の愛情はかなり歪んでいるのだが、背景を読み取った上でその歪みごと彼の行動を受け取って欲しい。全部とは言わなくとも、人間として理解できる部分があるんじゃないかと思う。少女に限らず、様々な女性との遍歴を通して、色々な愛の形を描いているところがこの物語の肝だ。
話が大幅に逸れたので戻す。
「○○萌え~」って表現は真正ロリコンが少女に対して使うことは無いだろう。私が見ている範囲では、「○○萌え~」は愛玩動物を愛でる感覚に近い。女の子が使う「かわいぃ~☆」はわりと近いニュアンスだと思う。飽くまで「キャラクター」として記号化された物をさして萌えるのだ。だから、実在の人間であってもアイドルだったり、アイドル視されるようなものに対しては使われるが、「一人の人間」に対して使うのは誤用だろう。少なくとも、私は激しく違和感を覚える。
最後にこれを紹介しておく。
『萌える英単語~もえたん~』
正しくこのキャラは萌えキャラである。理解は出来る。しかし、やはり私は萌えない。
追伸:
今回の話題はさすがにコアだと思う。また、異論反論もたくさんあると思うので、コメントもいただけると嬉しい。10年以上前の記憶に頼って書いているので、根本的な間違いの指摘なんかも歓迎だ。
最近のコメント